オートフォーカス

少し上目遣いで見てくれる、その大きな瞳に何度温かい気持ちにさせられただろう。

「僕は…やりたいことがあってここに来たんだ。」

「やりたいこと?」

写真を撮ること以外に、そう思ったのか加奈の視線は一瞬カメラの方に動いた。

「カメラじゃないよ。」

苦笑いしながら答える篤希に加奈は首を傾げる。

当たり前だが見当はついていないようだった。

加奈はまだ、篤希があの手紙の秘密に気付いたことを知らない。

「加奈、僕は君が好きだ。」

篤希の突然の告白に加奈は固まった。

ただ目を大きく開いて篤希の目を見ている。

「ずっと加奈が好きだった。」

「篤…希?」

「僕はこの恋を、最後の恋にしようと思ってここに来た。」

そう言うと篤希はポケットから加奈の手紙を取り出した。

一番新しい、加奈からの手紙が篤希の手の中にある。

雅之が教えてくれなければ篤希はいつこのメッセージに気付けただろう。