オートフォーカス

やがて篤希の視線に気付いたのか加奈はマーケットの外を見つめた。

そして篤希に気付いたのだ。

「篤希!」

名前を呼んで手を振ってくれる、篤希に向けられた笑顔も前のままだった。

加奈も歩き出し2人の距離は近くなった。

「久しぶり、加奈。」

篤希が笑う。

「うん、うん。久しぶりだね!わぁ大人っぽくなってる。」

加奈もテンション高めに答えてくれた。

ますますかっこよくなったねと笑う加奈に篤希は微笑み答える。

「加奈も、綺麗になったね。」

「え?…あ、ありがと。」

自分も同じようなことを言っていたのに篤希のストレートな物言いに加奈は思わずたじろんだ。

何回か速い瞬きを繰り返すと調子を取り戻したようにまた微笑む。

「でもビックリした。あんな手紙が来たから…神戸まで遠かったでしょ?」

「偶然ここでクリスマスマーケットやってるって知ったから。…約束したからね。本場じゃないけど。」

「…そうだったね。」