種類の多さやどれも似たような雰囲気に絢子は早くも首を傾げてしまった。

「うーん…何を買っていいか分からない。」

困ったような考えているような、複雑な表情をして口に手を当てる。

じっと展示を見つめる姿に篤希は思わず笑ってしまった。

こんな絢子を見るのも珍しい。

いつもは控えめに後ろにいて皆に合わせるようなことが多い分、真剣に長い時間悩む姿など見たことがなかったのだ。

「何を重視するかだけどね。機能か見た目か値段か。」

篤希の助け舟に絢子はまだ複雑な表情で展示を眺めている。

「見た目は…譲れないかも。」

絢子の言葉になるほど、と呟くと篤希は開かれているパソコンを閉じ始めた。

「外も気になる?」

「うん。この無機質な感じは…ちょっと苦手かな。」

そう答えると絢子も同じように画面を倒して色や形を確認し始めた。

少しづつ絞れているようだがそれでも漠然としているらしい。

ただ大学のパソコンで使うように、必要最低限のことしかしないということで特に目立った機能はいらないということだった。