「埋め合わせ、するから」


罪悪感。


……いや、罪悪感なんて感じる必要はないのかもしれないけど。
だけど、やっぱり感じずにはいられない。

「気にすんなってば。埋め合わせ、楽しみにしてるから。ほら、早く行ってきなって」


私の言葉を疑いもしてないのか、陽典君は心配そうな表情で、私を送り出してくれて。


「あ、飲み代!」
「んー。じゃ、1000円だけ徴収しようかな?」
「はっ?それじゃ安過ぎるでしょ」


私が財布からお金を出そうとすると、陽典君の手が私の手を掴んだ。


「だからさ?カッコ付けさせて、って言ったじゃん?俺も男だからさ、好きなコの前では頼れる男でいたいわけ」


にっこりと、屈託のない笑顔。


ここまで言われたら、引き下がるしかない。