コンプレックスな関係


なんと答えるのがいいんだろう。


「ごめん…」


今言えることはこれしかない。

俯いて次の言葉を紡げない私に、陽典君は言った。


「今はそういう気分じゃないってことだよね?それならいいよ。焦らせるつもりはなかったんだけど…こっちこそごめん」


陽典君は、少し困ったように笑っていた。


陽典君のように優しい人を好きになって、付き合ったら。

うん。

きっと、何も不安になることなんてないんだろうな…。


頭で理解できても、私の心はまだ付いていかない。


自分で思っていた以上に、私は執念深いようだ。


あー。


本当に、私ってばどこまでもダメな女だなぁ。


1人でこっそり落ち込んでみる。


「とりあえずさ?夏休み中、俺と遊ぼう?2人きりが気不味いならお互い友達誘ってさ。どう?」


重くなった空気を変えるように、陽典君は明るい笑顔と声で提案してくれた。


それは…少し良いかもしれない。


「そうだね」


自然と頷く私がいた。