コンプレックスな関係


「お兄ちゃん、莉生さんが他の男の人と付き合っちゃってもいいの?」


美和の問いは、俺が見て見ぬ振りをしようとしていた不快感に拍車を掛ける。


「莉生とは別れたんだ。莉生がこれからどうしようと、俺の知ったことじゃない」


それは俺の本心。


だけど。


「嘘でしょう?お兄ちゃん、莉生さんのこと、すごく大事だったんじゃないの……?」


美和は、ごまかされてはくれなかった。


「お兄ちゃん、昔から女の人を取っ替え引っ換えだったけど、莉生さんとは長かったよね。私、莉生さんに会って、その理由が少し分かった」


美和の表情が歪んだ。


「お…っ、おい?美和⁉」


美和の泣き顔なんて見たくないぞ!


慌てる俺。


だけど美和は言葉を止めない。


「莉生さんは、お兄ちゃんのこと大好きなんだよ……。お兄ちゃんだって莉生さんのことっ……」
「いい加減にしろ、美和。俺と莉生は美和が思うような関係じゃない」


潤み始めた美和の瞳に耐えきれなくて、俺は強く美和を遮った。


「お兄ちゃんのバカっ‼なんでわかんないの⁉鈍感っ!唐変木!」
「み…美和⁈」


突然、声を荒げ始めた美和に戸惑う。