コンプレックスな関係



莉生と顔を合わせることもないまま、俺は追試をかろうじてクリア。


季節は夏真っ盛り。


夏休みに入った。


毎日のように、携帯に入る遊びの誘い。


その大半は女から。


人並み以上の顔に産んでもらったお蔭で、産まれてこのかた、女に不自由はしない。


だけど。


どの誘いにも、乗る気になれない自分がいた。


自分が節度のない女好きだということくらいは、自覚している。


それの何が悪い?


寄って来る女がいる。


だから相手をする。


それだけのことだ。


第一、男がスケベじゃなかったら、人類は繁栄しねぇだろ。


なのに。


そう思っているのに、食指が動かない。


自分で思っている以上に、あのことが応えている。


そして、どの女の子と遊んでも、心の裡で莉生と比べている。