夕方。
遥と約束した時間は17時。
少しだけ早く、待ち合わせのカフェに着く。
高校時代、遥と入り浸っていたカフェは、あの頃と変わらない。
貴弥とも良く来たなぁ……
って。
また貴弥だよ……。
もうどんだけ貴弥が好きなんだか。
あんな酷い男なのに、自分でもなんで?って思う。
どうしてこんなに好きなんだろ。
自問自答を繰り返しても、答えは出ない。
こんなウジウジした自分は嫌いだ。
「莉生、お待たせ!」
約束より少し遅れて、遥が来た。
「遥、遅ーー」
遥の後ろに立つ人物を見て、目を見開いた。
……なんで、陽典君が一緒?
そんな気持ちが顔に出たらしい。
陽典君が申し訳なさそうに苦笑する。
「ごめん。俺が遥ちゃんに頼んだんだ」
遥ーーっ‼
企むのはいいけど、こっちの気持ちも少しは考えなさいよっ!
思いっきり遥を睨むと、遥はそっぽを向いて知らん振り。
「じゃ、私は帰るからあとは2人で話してね!ーー莉生、恋を忘れるには新しい恋だよ」
後半は私の耳元に、陽典君に聞こえないように言った言葉。
「遥っ!」
「あはっ!ま、なるよーになるよ!」
なるかーーっ‼
ばいばーい。
私の恨みがましい視線を無視して、遥はそそくさと帰ってしまう。
取り残されたのは、私と陽典君。
遥の奴〜っ。
覚えてなさいよ…。


