べしっ。


美和ちゃんの頭に置いた手を、貴弥が容赦なく叩いた。


みれば、貴弥の顔は更に不機嫌になっていた。


ははーん。


やきもちですか。


彼女相手にやきもちって……


なんかもー……脱力。


「お兄ちゃん!女の子を叩いたらダメだよ…」
「美和。莉生は男以上に逞しい女だから、これくらいは平気だ」
「お兄ちゃんっ!」


初めて美和ちゃんが声を荒げた。


うん。


その言われ方はさすがに私も少し傷付くぞ。


私は少しだけ意地悪な気持ちになった。


「美和ちゃん。この後時間ある?」
「え?」
「美和ちゃんさえ良ければ、この後一緒にお買い物行かない?」
「いいんですか?」
「うん。貴弥と居るより楽しそうだし?」