「20分程度の遅刻くらい笑って許せって。ほら行くぞ」


貴弥は私が今日をどれだけ楽しみにしていたのか知らない。


私も言ってないから仕方ないんだけど。


ねぇ。貴弥。


あなたが一分一秒でも美和ちゃんと居たいように、私だって一分一秒でも貴弥と長く居たいんだよ?


わかって…。


なんてこと。


言えたら苦労しないっつの!


自分で突っ込んでみる。


ってゆーか。


行くぞ、って言われて、なんとなく貴弥に付いて歩いて来たけど、どこ行くんだろ?


行き先、聞いてない。