ただ今、朝7時。

場所。大学近くの喫茶店。

目の前にいるのは、女の子が片っ端から振り返る、スーパーなイケメン男子。

テーブルの上に広がるのは、外国語のテキストとノートが2冊とパソコン。


「ーーで?なんで私なワケ?」
「だって、俺が知ってるロシア語取ってる奴の中で一番成績良いのお前だし」
「……あんたの頭には気不味いという言葉はないわけ?」
「あったら莉生に連絡してねぇよ」

しれっと答える質の悪い元カレに殺意を抱かない女子がいるなら、その心得を是非とも御教授していただきたい。


「仕方ねぇだろ⁉単位落としたら再履修確定なんだよ!こんなわけのわかんねぇ言葉の再履修なんて絶対嫌なんだよ!」


スーパーなイケメン男子な元カレーーつまり貴弥は、堂々と胸を張って言い切った。


「……貴弥くん。ちょっとそこの交差点で車に轢かれてきたら良いんじゃない?」
「まだ死ぬ予定はない」
「一回くらい死んだほうが世のため人のためよ」