「ちょっと⁉待っ……」 引き留める間もなく、風が吹いたかのように走り去った貴弥。 大好きな人の元に一秒でも早く行きたいという気持ちはわかる。 わかるけど‼ 私は机の上を振り返って、小さく溜息を零した。 残されたのは仕分け済みの山積みの資料。 ……これを1人で教授の所まで運べ、と? 紙って重いって知ってる……? 心底諦めの気持ちを込めて、私は深くふかーく。 盛大に溜息を吐いた。 貴弥のばかやろうっっ‼‼