ふふふ。馬鹿馬鹿しい話だろう。今なら考えられない。彼女が男と別れることも、男が彼女が忘れられなくてパートナーを作らないことも、男性Bが身を引くことも。

 しかしこれが純愛なんだ。
何が面白いって、こういう話に世界中が感動していたという点だ。


 そこで僕は、どうして皆そんなにも純愛を求めたのかを考えてみた。

 バルルアナ君。君はどう思う?

 いや、答えなんてない。

 僕は僕の考え、バルルアナ君はバルルアナ君の考えでいいんだ。

 ははは。アートか。それも面白いな。うん。

 僕はね、こう考えた。

 まず純愛というのは、人間の愛というものの一時の美化だと思うんだ。

 さっきの話の彼らがその後幸せに一生を終えたのかはわからない。

 だけど愛に生ききったその一瞬は、三人とも確かな幸せを感じた。それは確かだろう。