『俺、明日仕事休みだから。
 元カレんとこ行くぞ。今からな。』

ということで、
私たちは特急列車に乗り込んだ。

窓から見える景色は
あの時とかわらない。

かわったのは、
私の隣にかず兄がいること。

蓮斗が住んでいる街に近づくにつれて、
私の不安は増すばかりだった。

きっと、今頃。

奈々って子と一緒に
暮らしているだろう。

駅に着いてから
かず兄はずっと手を握ってくれていた。