ジンがそう言った時、俺は頭に違和感を覚えた。

それは、フワフワと髪が宙に浮く感じだ。



「中華ねぇ…良く作れたな、短時間に」



頭上から放たれたその言葉。
緩いクセに凛としたその声は、俺の髪を弄る張本人。

名前は藍沢 大和。
だから、ヤマト。



「俺をみくびんなよ?」



ニターっといやらしく笑うジンに、ヤマトはハハッと乾いた笑いを見せた。

俺等の中では兄貴肌のヤマトと、ママ肌のジン。
姉御肌のルミの親友も居るけど、どうも俺はこの3人を好きにはなれない。

まぁ、好きだけど。