「そう、ならいいの」
優子はそう言ってニッコリと笑って音楽室に入っていった。
なんか、裏がありそーだなぁ…。
あたしは優子の後ろ姿を見て、そんなことを思っていたら、
―――ドンッ!
「うぉわっ!」
誰かが背中にぶつかってきた。
「すいませーん!」
立ち止まってたあたしが悪いんだよね。
そう思って振り向きながら謝った。心、込めてるよ。
「「あ。」」
あたしはぶつかった人をみて声をあげた。
よかった、ぶつかった奴が春輝で。斎藤とかだったらお金取られそうだったし。
「よかった、ぶつかったのがサイハで!」
笑いながら春輝はそう言ってきた。よくないっての!