記憶タイムマシン




死人の世界って言われてもピンとこない。だって、あたし身体あるじゃん。



それに、今、目の前にいる男の人と会話をしている。



「……ったく、意味も分からんのか。お前は今日、死んだ。」


―――え?いやいや、ないっしょ、それは。だって死んだ覚えなんて、ない。



それに、

「あたし今アナタと喋れているじゃないですか!」



「話せて当たり前だ。私は神に近い存在であるからな」



意味が、分からない。神に近い存在?なんじゃそりゃ。そんなのいるの?



「いやいやいやいや、……死んでるはず、ないでしょぅ…」



「ハァーッ、お前は物わかりの悪い奴だなぁ。」



溜め息を吐き、男の人は口を再び動かす。次の言葉に思いを込めるかのように。



「キミは、死んだ」



思わず、息をするのを止めてしまう。だって、男の人があまりにも真剣な顔をするんだもの…。