記憶タイムマシン




「………ここって、どこですか。」



どうせ名前を何度聞いたって答えてくれそうにないからあたしは別の質問をした。



「………うーん、どこと言われてもなあ」



「えっ!?知らないのっ!?」



「貴様、何だその口の聞き方は」



男の人があたしに近づいてきてむぎゅうっと頬を引っ張ってくる。



「いだい!いだい!ずみまぜんでじだあっ!」



頬を引っ張ってくるなんて地味なことだけど何気に痛い。



「ふん。分かればよいのだ。」



男の人はパッと手を離した。頬がヒリヒリするんですが。



「――で、話に戻るが、簡単に言えば死人のいる世界だ。」



―――ハイ?



“死人のいる世界”?
聞いたことがない言葉に口がぽかんと開く。