「え、開いてる。」
閉まってるはずの屋上の扉が少し開いていて、そこから風が入ってきていた。
開いてるってことは、誰かいるか鍵のかけ忘れってことだよね。
かけ忘れだったらいいなぁ。
もし、誰かいて、それが教師だったらどうしよう。
あたしは言い訳を考える。
………いやぁ、開いてたから閉めようとしただけです!
そう言って、ダッシュで逃げる。
よし、これだ。これならいける気がするぞ。多分だけど。
あたしはちりとりとホウキをそっと床に置く。
入ったことのない屋上、どんなのか見てみたいじゃん。
あたしはゆっくりと扉を開けた。


