「どこ行くの?」
「CDショップ。」
「ふーん。また貸してね。」
校舎を出て、傘をさしながら横に並んで歩く。
こんなときって、何話したらいいんだろう。よく分からない。
なんだか恥ずかしくなって横の体育館の方を見た。
――――?
視力が2.00のあたしには確かにびしょ濡れの女の子が見えた。
何やってんだろう?……って、この時は特に何も考えてなかった。
「春輝、待ってよー」
とにかくあたしは先に歩いて行く春輝を追った。
・・・
・・
・
「春輝ホント好きだよね、このアーティスト」
「ああ、声がいいなって」


