「ってかひすい、お前なんでこいつのこと知ってんだよ?
しかも珍しく名前呼びだし。」
「あれ?言ってなかったっけ?
ざくろは同じクラスで隣の席の子だよ。」
「ふーん。お前名前は?」
お前?
…あぁ、私のことか!
危うくまた怒られるところだった。
「えっと、鈴島ざくろです。」
「ざくろね。俺、芝宮ぐれん[しばみや]。
よろしく。」
「…よろしくお願いします。」
うん、やっぱり悪い人では無さそう。
「ねぇ、ざくろ。
ざくろのことだし、ぐれんのことも知らないよね?」
「う、うん…」
もしかして真崎君にとって私は何も知らない……みたいなイメージ!?
いや、確かに知らないけど…。
否定はしないけど…。
でも名前は聞いたことあるような…気がするんだよね。
顔は初めて見たけど…
なんでだろう?
「ぐれんは俺と同じ万里中、それでバスケやってたんだよ。」
「あ…」
それってもしかして中学の頃にみんなが騒いでたユーティリティープレイヤー?


