─────── 「…ひすいの方が早かった。」 「まぁね。でも、もう帰るよ。」 「そっか。」 ひすいのでてった病室。 空っぽの花瓶に、持ってきたばかりの白い花を生ける。 小さい花が特徴的で、ざくろみたいな花。 「今日、卒業式だったんだぜ? これ、ざくろの分な。」 ベットに横たわるざくろの枕元に、卒業証書を置く。 「これからの大学生生活とかマジ考えらんねぇ。」 ってかざくろのいない大学生生活が考えらんねぇよ。 当然、帰ってくるはずのない返事。