バスケとサッカー、そして誰よりも輝く君たちへ







「うわっ!」


急に手を離されバランスを崩したその人は、逃げるように教室をでていった。



「芝宮君もひすい君もありがとう。」


「俺は何もしてないけど。」


そう言って、ひすい君は自分の仕事に戻っていった。

…私も戻らないと、そう思ったんけど…


「いや、ざくろは待て。」

とまた、今度は腕をひかれた。


疑問いっぱいの私は多分、凄い阿呆けた顔をしてると思う。


「あの、何か?」


「俺、まだお礼してもらってない……。」


芝宮君は少しうつ向きながら、ボソッと呟いた。