「夏鈴、ごめん!」 「全然平気よ。じゃ行きますか。」 「うん」 …とは言ったものの、校内はやっぱり広い。 6組の教室から体育館まではの距離はそう遠くないはずなんだけど… 10分くらいかかる。 道のりが長いんだよね…きっと。 「ざくろの隣って真崎君でしょ? 羨ましいわね。」 「え?真崎君のこと知ってるの?」 私なんて名前すら知らなかったのに… それに、普通他人の隣の席の人なんて知らないよね? 「知らないのはざくろくらいじゃないの?」 さも知ってるのが当たり前のように夏鈴は私を見る。