「アリガトウゴザイマス」 「ちょっとざくろ借りる。」 「えっ!?」 突然伸びてきた腕に手を捕まれる。 人がいっぱい集まってる状況で、誰が掴んでたのかは分からなかった。 急な出来事に反応できなかったのは、みんなも同じだったみたい。 廊下にでてやっと誰か分かった。 「…ひすい、君?どうしたの?」 「……」 廊下を出てすぐに止まるひすい君。 ひすい君に問いかけてもうつむいたまま何も言ってくれない。