夏目麗子(なつめれいこ)なんて品のあり、フルーツでいうとメロンみたいな高級な響きを持つ名前が嫌いだった。



もしも外見に自信があれば――部屋の隅に立て掛けてあるスタンドミラーをタオルケットで隠して、ベッドの前にあるいつもの席に座った。