部活中の生徒の声や音が響き渡る校内を歩きながら私達は昇降口に向かう。



「ちょっと喉渇いてヤバイからジュース買っていい?」



マイミが自動販売機の方を指さしてみんなにお願いをする。



「いーよー。私もなんか買お」



そのままぞろぞろとみんなで自動販売機の方へと向かう。



すでに何人かの生徒が販売機の前に群がっていて



うちらは待つハメになった。



よく見るとテニス部みたい。



みんな揃ってラケットを持ってる。



何飲むか悩んでないで早くどいてくんないかなぁー。



少しイライラして腕を組んでると



「柚月じゃん!」



そう声をかけられて顔を上げる。



そこには昼に見た愛斗の顔があった。



「あれ?愛斗じゃん!なに?テニス部なの!?」



「そう。さっき言わなかったね」



ジャージを着てても相変わらず眩しい。



テニス部とか言って似合いすぎ。



とことん爽やかだなぁ。



「ちょっ・・・柚月っ!」



愛斗を観察してたら袖を引っ張られてみんなの存在を思い出した。



「噂の愛斗くん?」



クミがニヤニヤしながら言った。



ミウとマイミはポーっとした表情で愛斗を見つめている。



「そうそう、須堂の友達の愛斗。コレ、私の友達のクミとミウとマイミ」



みんなを紹介してその場を仕切ってみた。



「よろしく。桜井愛斗です」



ニコっと微笑んだ瞬間に幾万の光の粒が飛び散った気がした。



眩しすぎるよその笑顔。



みんなも愛斗の顔に釘付けになってる。



「帰るの?少し話せないかな?」



「え!?でも部活中でしょ?」



「今先輩達がコート使ってるから待機中なんだ」



そうなんだぁ



でも・・・・



と、思ってみんなをチラリと見る。



「どうぞどうぞ。あげるっ!先帰ってんね~!」



何か誤解してるなってのがよく分かる。



みんながニヤニヤしながら手を降ってその場を立ち去った。