「真哉、後は俺がついてるからクミちゃんの所行ってやって」



愛斗が私の肩に回された真哉の手をどかすように自分の方へと私を引き寄せた。



―――愛斗?



真哉から離れた私は自然と真哉の手からも離れる。



変わりに反対の肩が愛斗の温もりに変わった。



まさか・・・ヤキモチ?



そう思ったらカァっと顔が赤くなってしまった。



「そう・・・だな。慌てて来たから教室に置きっぱにしちゃったからな。たぶん怒ってるわ」



真哉は一瞬寂しそうな顔をしたけように見えたけどすぐにいつもの調子のいい真哉に戻った。



私の心に何か引っかかる物があったけど、今はそんな事を考えている余裕など無かった。



まだ体は微かに恐怖で震えていたから。