☆ダブル☆ラブ☆ゲーム

「柚月.....好きだ」



確かに愛斗の口からそう言葉が出た気がした。



できれば聞き間違いであって欲しい気持ちと嬉しい気持ちが交差する。



マイミの好きな人なのに・・・



愛斗の好きな人って・・・私だったの?



信じられなくて愛斗の瞳から視線を外す事ができない。



高鳴る鼓動が苦しい。



「もともと出会った時から気になってたんだ。柚月といると楽しいし、その明るさに救われる事が多くてさ」



愛斗が語り出す。



「海に行った時に柚月の弱音を聞いて柚月を守りたいって思った。楽しそうにはしゃいでたのに帰りの電車の中で俺にまた弱音を吐いた時に確信したんだ」



私の頭の中で帰りの電車の中の様子がリピートされる。



確かに私は独り言のように弱音を吐いてしまった。



そんな私の弱音を聞いて愛斗は最初何も言わずに電車から降りたよね。



「その時に好きだって言いそうになったから黙って駅で降りようとしたけど、逆に柚月を好きだって確信しちゃったからどうしても一人にさせられなくって無理やり送ったんだ」



そう・・・なんだ。



だから愛斗はもう一度電車に乗り込んで来てくれたんだね。



まさかあの時愛斗がそんな風に思ってたなんて想像もしなかったよ。



「本当は自分では気づかないうちにもっと前から好きになってたんだと思う。でも今まで本気で人を好きになった事がなかったからこれが好きって感情なのか自信がなかったんだ」



そう言いながら私の頬を軽く撫でる。



その顔は切なくて色っぽくて胸の高鳴りはどんどん加速していく。



「でも今は間違いなく柚月が好きだと自信持って言える。こんな気持ちになったの柚月が初めてなんだよ」



愛斗の瞳に揺らぎは無かった。



真っ直ぐと曇りの無い瞳で私を見る。