そうこうしてる間に、電車はもう田原くんの降りる駅。


「じゃあ、またバイト後にな。」

「うっうん。…またね。」



あの痴漢のことがあって以来、私のバイトがある日は必ず田原くんが家まで送ってくれるようになった。

もちろん、平気だよって断ったけど、「俺が平気じゃない」と言って却下された。


…嬉しいけど、申し訳ないよ。