ある日、いつものように朝、電車に乗っていたときのこと。

発車しようとした電車がガクンッと急停車した。


…な、なんだ?



開くドア。
すると1人の小柄な女の子が乗り込んできた。


「…ご、ごめんなさ…っ」


息を切らしながら、申し訳なさそうに謝る女の子。

そう、この子が優衣ちゃんだった。
俺はあのダンス発表会のずっと前から、彼女のことを知っていたのだ。