「お嬢様、お着きになりましたよ」



『ん…』


どうも私は呆然し過ぎて
寝ていたようだ。



車はジャングルのような
林の中のガタガタの山道で
止まっている。



けれどまだ学校の入り口のような
ものはないし、見えない。


三井さんは私の
ボストンバックを
トランクから降ろしている。



『三井さん…?学校は?』



三井さんはハッっと
したような顔でこちらを見た。



「そうでした!
この道は狭く、これ以上
進めないんです。
誠に申し訳ありませんが
徒歩でお願いできますか?」



『あ、そおなんだ。
いいよいいよ、歩きで!』