サワーチェリーパイ

彼に対し、三次は読みかけのスポーツ新聞の風俗欄を差し出すと、禁煙パイプをおもむろにくわえる。


その姿は、不良としての風格にあふれていて、男がホレる男の様な印象だ。


「俺がオゴってやるから安心しろ、バイト代も入ったし」


しかし晴斗は、渡されたスポーツ新聞を床に叩きつける。


「俺が求めてるのはそんなのじゃない!」
「クロウトはいいぞー、若いヤツにはサービスしてくれるし。何より後腐れが無い」
「嫌だぁぁ……、絶対に俺は大好きな子とするんだーっ! 」
「寝言は寝てから言え、今のオメーには一生ムリだ」


テーブルに突っ伏して再び泣き始める晴斗に対して、冷静な声で残酷な結果を告げる真面目っ子2人組。


「計算によると、君が女性と長続きする確率はゼロだ」
「この近辺の女子高校の生徒数と、君のこれまでの交際人数、そして日数を見てもね」


真面目っ子2人は計算結果を書き出したレポート用紙を彼の目の前に置くと、再び参考書を広げて自分達の勉強を始める。