キーを押して、理想的な返信文を打つ。


『メールくれてありがと
 一緒にどこかに行こう 
 どんな所がいい? 
 希望とかある?
 俺は○○ってトコが
 好きなんだけど、どうか
 な』


打ち終えた後で、少しむなしくなる陽生。


自分もこうして樹とやり取りしたい、でも今の状況ではとても出来ないと考えて切なくなってしまったからだ。


不意に、晴斗の顔が頭に浮かぶ。


樹にはおとるが、見た目は悪くないし、あのウジウジとした性格さえ無ければいいのにと。


返信を終え、携帯を閉じてPCに向かう。


今度の主人公は、晴斗をモデルにしようと思ったからだ。


軽やかにキーを叩く音が、部屋に響き渡った。