2人は、陽生のメールアドレスを様々なガールフレンドにあたってチャッカリと聞きだしていたのだ。


こういう時に、彼女の数が多いというのは助かると、晴斗は態度をコロッと変える。


「でもさ、いきなりメールしたら、気持ち悪くないのかな」


喜んでアドレスを登録している彼に向け、駿河は冷静な一言を浴びせる。


「タシカニヤバイネー」
「確認取ってからにしてくれよ、お前ら」
「sorry」


浮かれていた彼の気持ちが、またヘナヘナとしおれて行く。


知らない相手からのメールは、不気味な印象だし、返信はまず来ないだろう。


「ソンナニキニナルナラ、アタックスルー」
「無理、俺そんな度胸無い」
「ナサケナーイ! 」


ハーフ2人に散々イジられてバカにされ、再起不能に陥りそうになったその時、店のドアが開いた。