あの空港での大騒動から6年後。


キーンコーンカーンコーンと優雅な鐘の音が鳴り響く午後、厳格なミッションスクール『私立聖母学園女子高等学校』の教壇。


「皆さん、ゴキゲンよーぉーん! 」


教室中に居並ぶ可愛い女子高生達の前で、ウキウキとチョークを握るのはあの虹太。


「今日は、ボクの授業だからねー」
「虹太センセー、頑張れー」
「頑張っちゃうー」


そう言いながらも、女子高生の顔を見ながら相手を物色しているのに気づいた担任教師が、咳払いをする。


「福留君」
「スイマセーン」


虹太は今、一浪した末に入学した教育大学の3年生。


この女子高校には教育実習生として来ていた。


相変わらずの女好きは治っておらず、父親のコネを最大限に利用して、ここへもぐり込んでいる。


目的はそう


『ピチピチの女子高生を生け捕りにするため』


しょーもない教育実習生であった。