彼らはスポンサーの人たちだろうか、でも樹はアマチュアだし、それにプロにはなれない年齢だと、1人で不思議に思っていた。


「ウチが獲りますよ」
「御花台さん、それは無いでしょうー」
「資金なら充分にありますから、ガッハッハ」


練習が終わり、オヤジ達が出て行くと樹のお母さんはダメ出しを始める。


「あんなアクセルはダメよ、体のシンがぶれてるわ」
「はい」
「樹君、頑張ってましたよ。苦手だったスピンも出来てましたし」


専属コーチが2人の間に入るけれど、お母さんは自分が元プロだったからどうしても許せないらしい。


注意を与えられている樹は、厳しい練習で本当に疲れた顔をしていてかわいそうに見えた。