サワーチェリーパイ

事情を知らなかった陽生は、口をおもわずおさえる。


「何それ」
「知らねえよ、好きになっちまったんだし」
「そっか……」


ウェルカムドリンクを磨朝から受け取ると、乾杯が始まった。


もちろん、全員未成年のためにマスターはノンアルコールカクテルを用意している。


「Welcome our after prom! Let's happily spend tonight cheers! 」
(ようこそ俺達のアフタープロムに! 今夜は楽しく過ごそう、乾杯)


マーティンの乾杯の音頭と共にあちこちでグラスが上がり、2人もそっとグラスを合わせた。


「楽しく過ごそうな、最後のパーティだし」
「うん」