サワーチェリーパイ

妄想ダンスパーティーを頭の中で開催し始める晴斗、いつもの様子に安心したマーティンは抱えたギターでムーディな曲を演奏する。


『ダンスって事は陽生が
 ドレスなんか着て来て
 さー、俺、「綺麗だよ
 陽生」とか言っちゃって
 なー、そんで体を寄せて
 チークダンス。
 その時に耳元で「愛して
 るよ」って囁けば一発
 でしょ! これ、逃す手
 無いし』


だが、浮かれた晴斗に痛い一撃を与える三次。


「オメー、ダンスなんか出来んのかよ? 」
「はぁうっ! 」


そう、インターナショナルの生徒には当たり前でも、普通の工業高校ではまずダンスなんて縁の無い話である。