サワーチェリーパイ

「最初から確率ゼロだから仕方ない、僕達の計算は合っていた」
「ゼロの十桁後に1があるけれど、無い様なものだから」


御花台2人組にダメ押しのセリフを吐かれても、グンニャリとしたまま動かない。


「hey! ゲンキダセ、ハルト」


陽気なメロディーをギターでマーティンが奏でるものの、一向に立ち直りを見せない彼に対し、アーリオがチケットを差し出す。


「アフタープロムticket、ハルキヘpresent」
「おー、ありがとよ」
「フタリデdance! lovelove again」


その言葉で、ムクっと起き上がる晴斗。


「ラブラブアゲイン……」
「yes! slow music、チークダンス」
「そうか、そういう手段もあるよなー」