サワーチェリーパイ

まるでもう自分の物になったとばかりに真剣な表情で晴斗が言うのを見て、アーリオは両手のひらを天に向けて肩をすくめる。


「マダコリテナイヨ、some time フラレマクリノクセニ」
「うるせぇ! ハーフってだけで女にモテるヤツは黙ってろ」


インターナショナルの2人は、日本人とのハーフで容姿もモデル並だ。


言い寄る女の子は数知れず、同時進行の彼女は両手の指の数だけ居る。


いや、両足の指を足しても足りないかも知れない。


「ハルト、キミハモテナクナイ」
「モウソウヒトリズモウサエstopスレバダイジョーブ」


なぐさめにもならない言葉を言い、ケータイのメールをチェックし始める2人。


「oh! ミナチャントノヤクソクワスレテタ」
「me too! 」


大事なデートの約束を忘れていた為、あわてて店から飛び出して行く。