翌朝、浮かない顔をしたままの晴斗が教室に到着すると、虹太がニヤニヤと笑いながら近づいて来る。


「童貞卒業出来たのか? ん? 」
「何でそんな事言うんだよ、お前は」
「いやー、実は……」


日曜日のデートをコソコソと監視していたと言いかけた虹太の口へ、三次は朝食用の焼きそばパンを押し込む。


「んがっ」
「おう、どうした土曜日は」
「あー、告白出来たんだけどよ、あいつ、好きだった男にフラれたばっかでさ」


事情を説明すると、腕組みをした三次は視線を窓の外に向ける。


手の打ちようの無い状況に、落ち込む晴斗の顔を見ていられないからだ。