サワーチェリーパイ

御花台は新設校にしては偏差値が高く、毎年東大に何名も送り出す進学校として知られていた。


女子生徒も真面目な子が多く、恋愛よりも勉強を取り、容姿等には構わないタイプばかりで、美人が少ないと言われている。


それだけに、ソウルダイナー女好き3人衆の虹太・アーリオ・マーティンもノーチェックだったらしい。


「名前、何て言ったっけ? 」


ようやく妄想から覚めた晴斗は、彼女に関しての情報を集め始める。


「フジカワ ハルキだってよ、お前と似たような名前だな」


晴斗の頭をスコーンとスポーツ新聞で叩きながら、席を立つ三次。


「サンジ、ドコニイクノ? 」
「オヤジの現場だよ、俺、今日もバイトがあるから」