翌日の西東京には、黒雲が立ち込めていた。


もちろん、ソウルダイナーの店内にも。


「降水確率は100%だな、同時に、藤川がここへ来ない可能性も100%」


晴斗の話を聞いて、メガネをクィっと上げながら駿府が言う。


「オメーにしてはよくやった、上出来だ。まあ、最後の陽生の反応に関しては、あきらめた方がいいと思うがな」


三次は、それだけ言うと手元の『月刊鳶GUY』に目を落とす。


「oh、ハルトモヤルネェー」
「デモキラワレタヨー」


マーティンとアーリオは、ゲラゲラ笑っている。


「まあ、でも陽生ちゃんへキス出来たってだけでも、いーんじゃなーい? 」


虹太は楽観的に言うと、晴斗の肩を叩く。


女心が理解出来ていない、哀れみも込めて。