晴斗は陽生の腕を取って猛ダッシュした。


「こら! 待て! 」
「うっせぇ! 」


ゲームセンターを出て、人ごみの中を潜り抜けながら走り、路地裏に逃げ込む。


「陽生、大丈夫か? 」
「おう、東京って補導が厳しいのな」
「そらそうだろ、日曜に制服でウロウロしてたら」


おまけにゲームセンターに居た日には、どうぞ捕まえて下さいと言っているようなものである。


「家に帰るか」
「俺、送ってくよ。もう遅いし」
「悪いな」


陽生の家は、ここから歩いて10分の場所にあるが、途中には暗い道があるため、喜んで晴斗の申し出を受けた。