サワーチェリーパイ

「行かせていただきます、是非」
「良かった、じゃあ、前の日に制服とメガネを貸すから」
「はい、喜んで！　」


という事情で、日曜日になり、早瀬に変装した晴斗は陽生と駿府と共にアイススケートのリンクに向かう。


駿府は邪魔をする気も無いので、１人参考書を読んでいるし、これを機会に自分へ関心を戻したい晴斗は張り切った。


スクールバスの中では、陽生のとなりへ座り、持ち込んだお菓子やゲームをすすめる。


「あんまりやるとバレるぞ」
「ヘーキ、ヘーキ」


周囲を見ると、遠足気分なのは晴斗のみで、皆、面倒臭そうな顔をして本を読んだり、何かを聞いていたりと、応援する気も無いらしい。