寝始めた、葵と母上に近寄ってみる。 葵はまるで天使のようにねていた。 でも、母上は苦しそうだった。 「父上、どうして、母上と葵を置いていなくなってしまったのですか……」 ここ何日間か出てこなかった涙が出てくる。 「父上……もう一度会いたいです。父上…………」 何分間か分からないけど、ずっと泣いていた。私の泣く声だけが響いた。 ─トントン 泣きやみそうになったとき、扉が叩かれる音がした。