「今寝ようと思っても、寝られないわ…」 「母上、身体が弱いのよ。今倒れた ら、苦労するのは、私。寝てちょうだい」 「大丈夫よ。だから、今は働く所を探してきて…葵は食べさせないと」 そう言われても、もう立つのも困難そうな、母上をおいて出て行くなんて、出来そうになかった。 「母上が寝て、体力が戻ったら、探しにいくわ。少しの間は父上の財産でどうにかなるから」