ピアスに恋した少女

「修也、それ……」



修也だって年上だとはいえ、まだ高校生。

飲酒も喫煙も許される歳ではないのは、あたしにでもわかっていた。



「お前も、やる?」



その言葉が始まりだった。



修也は高校生。あたしは中学生。


バカにされたくなかった。

ガキ扱いされたくなかった。

修也の彼女ってまだ中学生なんだろ?って。



学校や家、生活に支障がなければいいと思った。


だから、あたしは修也に合わせることを決めた。



もちろん学校はちゃんと行っていたし、親に心配かけたくないから修也と付き合っていることは黙っていた。

きっと今でもバレてはいないと思う。



実際、酒も煙草も、特別好むわけではなかった。

酒はすぐに酔って気持ち悪くなるし、煙草は肺がつぶれそうなほど苦くてまずかった。



それでもあたしは、修也と合わせるために続けた。


バカにされるのもガキ扱いも嫌だった理由だけど……

一番の理由は、修也に嫌われたくなかったからだ――。










本当にバカだったと思う。