「お互いの名前知っているなら、僕ら他人ではなくないですか?……まぁ、もとから他人ではないですけど」


そう、意地悪い笑顔を私にむけて沖田は言った。


「なっ…」


私もこの言葉には無反応ではいられなかった。

だから、後半の言葉を聞き逃した。


「あ……はははは!!」

静かだった教室が、笑い声であふれた。

沖田の言葉が面白かったのだろうか…?

「麗らしい考えだねぇ、それ」
「ありがとう」

「いや、褒めてねぇだろ」

「黙ってください。祐のくせに」

「え、何ソレ……」


何故か盛り上がる。

騒がしいとは思う。


…が、それと同時に不思議な感情が湧き出てくる。





この騒がしい感じが

この笑顔が

この風景が





とても懐かしく感じる、と。